【無線LANの基礎知識(周波数、チャネル)について】

         
            
このHPは、無線LANの基礎知識(周波数、チャネル)についてまとめたものです。




1ー1 周波数とは

無線LANとは、「電波」を使う無線通信でデータの送受信を行うネットワーク。
「周波数」とは、1秒間に繰り返す波の数(振動数)のことをいい、この波を「電波」という。



電波の振動は正弦波で表し、ゼロから上がって下がってまたゼロに戻るまでの変化(1周期)が、何回繰り返されるかが「周波数」で、
周波数の単位には「Hz(ヘルツ)」を使う。

例えば、1秒間に1周期の振動なら「1Hz」。
「電波」を使用した通信では、使用する周波数を指定しなければならない。




■無線LANで使われる周波数帯

無線LANでは、それぞれの方式で、使用する周波数帯域が定められている。
一般的に使用される周波数帯域は以下の2つ。この帯域を「チャネル」という形で分割して使用する。


・2.4GHz帯(ISMバンド)
・5GHz帯(U-NIIバンド)





◆2.4GHz帯(ISMバンド)
ISMバンドとは、産業、科学、医療を目的とした機器が電波を利用するために定められた周波数帯域のこと。
ISMバンド周波数帯は以下の3つがある。


【1】900MHz帯(902〜928MHz)
【2】2.4GHz帯(2400〜2500MHz)
【3】5.7GHz帯(5725〜5850MHz) 


このうち、2.4GHz帯は、「IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n」で利用されており、無線LANの他に、Bluetoothやコードレス電話、電子レンジなどさまざまな機器が同じ周波数帯に同居している。
つまり、狭い帯域をさまざまな用途で利用するため、隣接チャネル同士の帯域が重なり、通信用の電波同士も頻繁に干渉し、そのため、無線LANの使用中、近くで電子レンジを使用した場合、電子レンジの影響で「通信しにくい」「切れやすい」など、電波の干渉が発生し、伝送速度の低下や接続の中断などを起こすことがある。




◆5GHz帯(U-NIIバンド)
U-NIIバンドは、当初から無線LAN向けに開放されている免許不要な周波数帯域。そのため、2.4GHz帯ほど混雑していない。
5GHz帯は、使用できる周波数の幅が、2.4GHz帯より広く取られており、20MHzの幅をもつチャネルが19個設定されている。
20MHzの帯域を必要とする伝送方式であれば、全てのチャネルは周波数が重なることなく同時に利用でき、「IEEE802.1a」、「IEEE802.11n」、「IEEE802.11ac」が5GHz帯を使用するプロトコル。










1-2 チャネルとは
無線LAN通信では、無線周波数ごとに通信路(周波数の幅)が存在し、各通進路でデータの送受信を行う。この通信路(周波数の幅)の事を「チャネル」と呼ぶ。
無線LANでは、データを送受信する双方(無線LAN機器とAP)で、同じチャネルを利用する必要がある。また同一のチャネルを利用する複数の無線LANシステムが、無線通信を行うと「干渉」が発生する。





無線LAN規格には、「2.4GHz帯」と「5GHz帯」があるが、それぞれの帯域には複数のチャネルが存在する。








■2.4GHz帯
2.4GHz帯で利用できるチャネルは国別に決められている。
日本国内において、「IEEE802.11b」は14チャネル(1〜14ch※日本のみ14chも利用可能)「IEEE802.11g」は13チャネル(1〜13ch)。
ただし、こうしたチャネルが全て同時に利用できる訳ではない。
周波数が重なった部分があると、電波の干渉が起こり、通信の速度が大幅に低下する。

2.4GHz帯では、1チャネルにつき、「22MHz」を利用し、チャネル1とチャネル6といったように、周波数が重ならないチャネルを選択する。













■5GHz帯
5GHz帯も利用することができるチャネルも国別に決められている。
しかし、5GHz帯は使用できる周波数の幅が、2.4GHZ帯より広く取られていて、20MHzの幅をもつチャネルが「19個」設定されている。
チャネル番号が1つでも異なれば、電波は干渉しない。※2019年7月の新電波法により、W56に144chが追加された。

また、5GHz帯は細かく分類すると、

・「W52(5150〜5250MHz、36〜48ch)」
・「W53(5250〜5350MHz、52〜64ch)」
・「W56(5470〜5725MHz、100〜140ch))」


の3グループに分かれている














新たに追加された、「W53」と「W56」は、気象レーダー等でも使用する周波数なので、同じ「5GHz帯」を使用する気象レーダーの電波を検出したときには、動的にチャネルを変更するDFS機能の制限や、送出出力を自動調整する機能(TPC機能)が義務付けられている。


また、5GHz帯は屋外で利用できるのは、「W56」に限られ、「W52」と「W53」は屋内での利用に限定される。