【無線LANの基礎知識(構成要素、トポロジー)について】



このHPは、無線LANの基礎知識(構成要素、トポロジー)についてまとめたものです。



1-1 IEEE802.11無線LANネットワークの構成要素

IEEE802.11無線LANネットワークは、以下の要素から構成される。


                        
■STA(ステーション)
STA(ステーション)とは、無線接続用のアダプタカード、PCカードなどを持つ無線端末。


■AP(無線LANアクセスポイント)
AP(無線LANアクセスポイント)とは、無線端末同士の通信を中継したり、無線と有線ネットワークを中継(ブリッジ機能)する機器。
AP(無線LANアクセスポイント)は、各ベンダーから様々な製品が提供されている。


■IBSS(アドホックモード)
無線LANのインターフェイスを内蔵した機器が直接通信を行う。APを介さずに、無線LAN端末が直接接続する形態。
複数台の端末間での通信も可能。AP同士の接続にも用いられている。


■BSS
BSSとは、基本となる1つのAPとその配下の複数の無線LAN端末で構成される無線ネットワーク。BSS内の全STAは、AP経由で通信する。


■ESS
BSSの集合で構成されるネットワーク。


■DS
DSとは、BSS間を接続間を接続する論理要素で、AP同士を結んだネットワークの事。「STA」がBSS間でローミングできるようになる。
異なるBSSに置かれたAP間は、DS経由で接続する。なお、DSは一般的に有線LANだが、AP同士が無線LANで接続する「Wireless DS(WDS)」も構成可能。








1-2 無線LANのトポロジー

無線LANのトポロジーには「アドホックモード」と、「インフラストラクチャモード」の2つがある。


■アドホックモード(IBSS)
アドホックモードとは、無線LAN機能を備えた端末同士が、直接通信を行う形態。APが不要。通常、アドホックモードでは、インターネットに接続することはできない。アドホックモードは、正式には「IBSS」というモード。





■インフラストラクチャモード
インフラストラクチャモードとは、無線LAN端末がAPを中心に通信を行うモード。APは有線LANと接続され、無線LANと有線LANを同じネットワーク内で運用する際に使用される。

これは、ネットワークにおけるハブに相当するもので、各STAはAPを経由して通信を行う。つまり、あるSTAから送られた無線LANフレームは、APで受信され、APが再度無線LANフレームを再送信し、目的のSTAで受信される。





インフラストラクチャモードは以下の2つのモードがある。

◆BSS
BSSとは、基本となる1つのAPとその配下の複数の無線LAN端末で構成される無線ネットワーク。BSS内の全STAは、AP経由で通信する。
BSSを固有に識別する識別子を「BSS-ID」といい、48ビットの数値で構成される。「BSS-ID」は通常、APのMACアドレスと同じものになる。


◆ESS
BSSの集合で構成されるネットワーク。
このモードは、APを複数配置して、無線LAN端末が移動した場合に、 自動的にAPの切り替えをする「ローミング」※を実現できる。

この場合は、「BSS-ID」でなく「ESS-ID」を使用する。「ESS-ID」とは、無線LANを論理的にグループ化するために使用される認証ID。互いのID一致しないと通信ができない。最大32文字までの任意の英数字を設定できる。
ローミングを可能にするには、全てのAPの「ESS-ID」を同じに設定する。
なお、「ESS-ID」は「SSID」とも呼ばれる。

※ローミングとは、現在アクセスしているAPから、同じSSIDを持つ別のAPに移動して、移動した場所に応じて接続先のAPを切り替える機能の事。