スイッチには、ネットワーク層で動作する「レイヤ3スイッチ」・データリンク層で動作する「レイヤ2スイッチ」が存在する。
■レイヤ3スイッチ
ネットワーク層で動作するスイッチ
■レイヤ2スイッチ
データリンク層で動作するスイッチ。単にスイッチと言う場合は、「レイヤ2スイッチ」を指す。
レイヤ2スイッチには次の3つの機能がある。
●アドレス学習
どのMACアドレスが、どのポートに接続されているかという情報を蓄積していく。
●転送・フィルタリング
ポートでフレームを受け取ると、あて先MACアドレスを参照し、MACアドレステーブルから出口のポートを探す。見つからない場合は受け取ったポート以外のポートにブロードキャストで送る。
●ループの回避
⇒スパニングツリー使用
1-1スイッチの転送モード
スイッチがデーターを転送するモードには、
●カットスルー
●フラグメントフリー
●ストアアンドフォワード
の3種類がある。
★カットスルー
フレームのレイテンシ(遅延)は小さく一定に保たれるが、受信したフレーム全体をエラーチェックしないため、信頼性は低くなる。
★フラグメントフリー
「フラグメントフリー」は、受信したフレームの先頭64バイトのデーターだけを確認して転送する方式。読み込んだデーターがコリジョンなどによって破棄され、64バイト未満となっていた場合、そのフレームを除去する。受信したフレームのレイテンシはカットスルーと比べて若干大きくなるが、信頼性は高くなる。
★ストアアンドフォアード
「ストアアンドフォワード」は、受信したフレーム全体のデータを確認して転送する方式。エラーのフレームを転送しないため信頼性は最も高くなるが、フレームのサイズによって取り込む時間やエラーチェックする時間が異なるので、レイテンシは変動する。
1-2スイッチとブリッジ
スイッチと同様の基本機能(フレームの転送、フラッディング、フィルタ)を持つデバイスにブリッジがある。スイッチがASICを使った「ハードウェアベース」のデバイスであるのに対し、ブリッジは「ソフトウェア」ベースのデバイス。そのため、スイッチはブリッジより処理速度が速くポートを数多く持つ。
1-3 IPアドレスの設定
ルーターでは、各インターフェイスに対してIPアドレスを設定するが、スイッチではポートごとのIPアドレスは必要ない。スイッチに設定するIPアドレスはtelnetやSNMP等のネットワーク管理の為に使われる。
スイッチには、「管理VLAN」と呼ばれる論理的なインターフェイスがある。スイッチに対するIPアドレスの設定はこの管理VLANに対して行う。デフォルトでは管理VLANはVLAN1になっており、VLAN1に対してIPアドレスを設定する。
【IPアドレスの設定】
(config-if)# ip address 【IPアドレス】【サブネットマスク】
★【IPアドレスの設定の確認】
スイッチのIPアドレスを確認するには、特権モードで【show interface vlan】コマンドを実行する。
【IPアドレス設定の確認】
♯show interface vlan 【VLAN番号】
1-4 デフォルトゲートウェイの設定
スイッチに対して、デフォルトゲートウェイを設定するには、グローバルコンフィグレーションモードで【ip default-gateway】コマンドを実行する。引数にはデフォルトゲートウェイとなるデバイスのIPアドレスを指定する。
★【デフォルトゲートウェイの設定】
(config)♯ip default-gateway 【デフォルトゲートウェイのIPアドレス】
★【デフォルトゲートウェイの設定の確認】
設定したデフォルトゲートウェイを確認するには、特権モードから【show running-config】コマンドを実行する。