【ISDNの概要】


このHPはISDNの概要にについてまとめたものです。


1-1ISDNとは

「ISDN」とは、電話やFAX、データ通信を統合して扱う、サービス統合デジタル網と呼ばれるサービス体系の総称。通常のアナログ回線 に比べて高速で安定した通信が可能。アクセス方式には、下記の2種類がある。

●BRI(基本インターフェイス)
●PRI(一次郡速度インターフェイス)



★BRIサービス

「BRIサービス」は基本インターフェースに基づく個人向けのサービス。データ通信用の64kbpsのBチャ ネル2本と呼制御用の16kbpsのDチャネル1本で構成され、「2B+D」と表現される。データー通信用に確保する帯域幅は、Bチャネルを2本合 計した128kbps。



★ISDN2つのカプセル化タイプ

ISDNのデータリンク層には、異なる2つのカプセル化タイプを使用する。

●データー用(Bチャネル)のカプセル化タイプを「LAPB」
●制御用(Dチャネル)のカプセル化タイプを「LAPD」


という

★PRIサービス

「PRIサービス」は一次郡速度インターフェイスに基づく企業向けのサービス。北米と日本ではPRIサー ビスはデーター通信用の64kbpsのBチャネル23本と呼制御用の64kbpsの1本で構成され「23B+D」と表現される。欧州やその他の地域では、 PRIサービスはBチャネル30本とDチャネル1本で構成され、「30B+D」と表現される。







1-2ISDNの機能グループと参照点

★ISDNの機能グループ



ISDNでは、接続するデバイスの特徴に基づいて「機能グループ」を定義している。機能グループは下記 の表のとおり。

機能グループ 機能するデバイスの特徴
NT1 データーをISDNで使うデジタル回線上を流れる形に変換するデバイス(DSUなど)
NT2 データーをISDN端末に振り分けるデバイス(PBXなど)。
TE1 ISDNに対応しているデーター端末
TE2 ISDNに対応していないデーター端末
TA TE2が送信するデーターをISDNに適した形に変換するデバイス




★参照点

「参照点」はアーキテクチャ上で、定義されているインターフェイス。参照点は次のとおり。 NT2がない場合もあり、その場合はS/T点となる。

参照点 対応するインターフェイス
U点(User点) NT1と地域電話局の間の接続点
T点(Terminal点) NT1とNT2の間の接続点
S点(System点) NT2とTE1またはTAとの間の接続点
R点(Rate点) TAとTE2の間の接続点




●ISDN機能グループ/参照点

1-3ISDNスイッチタイプの設定

ISDN交換機のタイプを「 スイッチタイプ」という。BRIインターフェイスでISDNに接続するにはキャリア側のスイッチタイプを指定する。スイッチタイ プを指定するには{isdn switch-type}コマンドを入力し、引数に<スイッチ タイプ>を指定する。
スイッチタイプは国によって異なる。例えば日本では、キャリアがNTTなのでnttを指定する。


【ISDNスイッチタイプの設定】

(config)♯isdn switch-type <スイッチタイプ>※スイッチ タイプ:キャリアのタイプを指定



1-4ISDNのステータスの確認

ルーターが電話局のISDN交換機と正しく通信できているかを検証するには、[show isdn status]コマンドを入力する。このコマンドでISDN交換機と の通信で定義したスイッチタイプや物理層がアクティブかどうかを確認できる。
また、データリンク層のステータスでは、TE1の割り当ての状況を確認できる。


【ISDNステータスの設定】

♯show isdn status

>

※TE1

ISDNに接続可能な電話線、FAX、コンピューターなどの機器を識別する端末識別番号。複数台の端末を接続してISDNを利用する場合、ISDN交換機は64〜126の範囲内の番号を端末に自動で割り当てる。

1-5接続状態の確認

ISDNの接続状態を確認するには、[show dialer]コマンドを入力する。Bチャネルごとに次の様な情報が表示される。

●接続の状態
●発呼のトリガとなったパケットの情報
●切断までの時間
●接続後に経過した時間
●接続先の電話番号


【ISDNの接続状態の確認】

♯show dialer



通信がなくなってから90秒すると以下の表示が出て,いずれのチャネルも回線が切断さ れる。