1-1IGRP
IGRPは、ルーティングテーブルを定期アップデートする。定期アップデートの間隔は90秒。メトリック
の要素には「帯域幅」「遅延」「負荷」「信頼性」「MTU」の5つがあり、デフォルトでは「帯域幅」と「遅延」を計算した値を使う。
ホップカウントはメトリックに使わないが、RIPと比べて大きなネットワークに対応しており、最大255ホップ(デフォルト100ホップ)まで到達可能。
メトリックに、複数の要素を使用することを「複合メトリック」とい
う。
【参考】
帯域幅(bandwidth):インターフェイスの物理的なデーター送信速度。単位は
bps。
遅延(delay):データーが伝送されるのにかかる時間のこと。単位はマイクロ
秒。
負荷(load):回線使用率を測定した値。1/255の負荷がもっとも低い値。
信頼性(reliability):データを送信するための時間と、その平均を測定し
た値。255/255が信頼性100%を表す。
MTU(最大伝送ユニット):インターフェイスから送信できる最大のフレーム
サイズ。単位はバイト。
またIGRPは、メトリックの値が異なる場合でも、複数の経路に負荷を分散を分散する「不等コスト負荷(ロード)バランシング」が可能。
1-2IGRPのルーティングタイマ IGRPのルーティングタイマのデフォルト値は、次のとおり。 1-3IGRPの設定 IGRPの設定をするには、グローバルコンフィグレーションモードで{router igrp}でコマンドを入力する
。引数に【自立システム番号】を指定する。自立システムとは、
経路情報を共有するネットワークの集まりで、通常企業や組織などの単位を指す。IGRPでは、同じ番号を使っているルーター間だけで、情報交換が行われる。それ以外の設定方法はRIPと同
じ。 【IGRPの設定】 (config)♯router igrp 【自立システム番号】
ルーティングタイマ
デフォルト値
アップデートタイマ
90秒
無効タイマ
270秒
ホールドダウンタイマ
280秒
フラッシュタイマ
630秒
※自立システム番号:1-65535