【DHCPについて】



このHPは、DHCP(DHCPリレーエージェント)についてまとめたものです。




1-1 DHCPリレーエージェントとは

DHCPリレーエージェントとは、DHCPメッセージを他のサブネットに存在するDHCPサーバーへ中継するための仕組みの事。
DHCPクライアントとDHCPサーバーが同じサブネットに存在しない場合、クライアントからのメッセージがブロードキャストで送信されるため、この宛先アドレスのパケットはルータを越えて転送されないので、ブローキャストを送信したサブネットの範囲までしか運ばれない。
複数のVLANがあるネットワーク環境で、VLANごとにDHCPサーバーを用意するのはコストがかかってしまう。






そういう時に使用するのがDHCPリレーエージェント機能。
DHCPリレーエージェントは、DHCPクライアントが存在するサブネット上に存在するルータに設定しておく。
DHCPクライアントから、DHCPメッセージをブロードキャストで受け取ると、そのメッセージをユニキャストに変換してDHCPサーバーまで届ける。
また、DHCPサーバからの応答も、DHCPリレーエージェントが一旦受け取ってからDHCPクライアントへ転送する。







DHCPリレーエージェントを利用すると、複数のサブネットが存在する場合でも、1台のDHCPサーバーでDHCPを利用することが可能。










1-2 Cisco機器への設定

Cisco機器でDHCPリレーエージェントの設定をするには、インターフェイスコンフィグレーションモードで「ip helper-address」コマンドを実行する。


≪コマンド≫
(config-if)#ip helper-address <DHCPサーバーのIPアドレス>


下図で、DHCPサーバーとDHCPクライアントが異なるネットワークにいる環境で、DHCPリレーエージェントを設定してみる。


DHCPサーバーにDHCPメッセージを中継できる様にルータのFa0/1で、DHCPリレーエージェントの設定をする。
DHCPリレーエージェントは、ブロードキャストされたDHCPディスカバーを、DHCPサーバーへユニキャストに変換する機能。





≪DHCPリレーエージェントを設定≫
(config)#interface FastEthernet 0/1
(config-if)#ip helper-address 10.10.10.100


この設定を行うとルーターのFa0/1で、DHCPディスカバー等のブロードキャストのDHCPメッセージを受信すると、そのメッセージをユニキャストでDHCPサーバーに転送する。
※設定はブロードキャストが着信するインターフェイスで行う。