【CDPの概要】


このHPはCDPの概要についてまとめたものです。


1-1CDP

「CDP」はCisco独自のプロトコルで、隣接した製品同士で情報を交換する。 他メーカーとの情報交換はできない。またCDPはデータリンク層プロトコルのため、ネットワーク層以上のプロトコルが動作していない場合でも、隣接デバイスの情報を確認できる。 情報交換のタイミングは、デフォルトで60秒に一回。

次の例では、「A」ルーターがCDPを使って情報交換できるデバイスは「B」ルーターだけ。「C」ルーターは隣接していないため、「A」ルーターから「C」ルーターの情報は確認できない。



■CDPで送受信される情報

CDPには、バージョン1とバージョン2 がある。Cisco IOS 12.0(3)T以降はCDP バージョン2がデフォルト。現在のCiscoデバイスはほぼCDPバージョン2が有効になっている。CDPバージョン1では、次の情報が送受信されている。

●隣接デバイスID
●ローカルインタフェース
●隣接デバイスのケイパビリティ
●隣接デバイスのプラットフォーム
●リモートインタフェース
●隣接デバイスのネットワーク層アドレス
●隣接デバイスのIOSバージョン情報

これに加えて、CDPバージョン2では次の情報が追加されている。

●VTPドメイン名
●ネイティブVLAN
●インタフェースの2重モード

■CDPのパラメータの調整

CDPタイマー値やホールドタイム※やバージョンなどのパラメータを調整 することができる。CDPタイマー値を変更したいときは、グローバルコンフィグレーションモードで次のコマンドを使う。

(config)#cdp timer [second]

ホールドタイムを変更したいときは、次のコマンド。

(config)#cdp holdtime [second]

※【CDPタイマー値】

CDPパケットが全てのアクティブなインターフェイスに対して送信される間隔

※【CDPホールドタイム値】

近隣デバイスから受信したパケットを保持(ホールド)する時間


また、デフォルトではCDPバージョン2が有効になっているが、CDPバージョン1だけの情報を送信する こともできる。そのために、グローバルコンフィグレーションモードで次のコマンドを入力する。

(config)#no cdp advertise-v2

再び、CDPバージョン2を有効にするには、cdp advertise-v2コマンドを入力する。



1-2CDPによる隣接デバイスの確認

CDPで交換している情報を表示するには、[show cdp neighbors]コマンド を入力する。隣接するデバイス名、接続インターフェイスなどが表示される。

【CDP情報の確認】

♯show cdp neighbors





■詳細情報の確認

CDPでさらに詳細な情報を確認するにはshow cdp neighbors detail」または「show cdp entry *」を入力する。
詳細情報では、隣接デバイスのインターフェイスのアドレスや、IOSのバージョンなどが追加される。
※「show cdp neighbors detail」と「show cdp entry *」はいずれも同じ出力画面になる。 「show cdp entry * 」は一部の製品ではサポートしていない。

【CDP詳細情報の確認】

♯show cdp neighbors detail



■show cdp entry

show cdp entryはデバイスIDを指定することで、特定のデバイスIDのCDP情報のみを参照することがでる。デバイスIDの指定に「*」をつけると、show cdp neighbor detailと同じくすべてのデバイスIDのCDP情報の詳細を表示する。 <A>のCDP詳細情報のみを表示するには、次のように入力する。

show cdp entry <device-id>



さらに、特定のデバイスIDのレイヤ3アドレスのみ、IOSバージョンのみを表示させることができる。レイヤ3アドレスのみ表示させたいときは
show cdp entry [device-id] protocol、

IOSバージョンのみを表示させたいときは
show cdp entry [device-id] version

と入力する。



show cdp neighborsやshow cdp entryの情報をクリアするには、
clear cdp table
を入力する。

CDPトラフィックの統計情報を確認したいときに、show cdp trafficを入力する。




show cdp trafficeの統計情報のカウンタをクリアするには、 clear cdp counters を入力する。


1-3CDPの起動

CDPの起動や停止を行うコマンドはデバイス全体とインターフェイス単位の2種類あり、使用モードや動作が異なる。

【CDPプロセスの起動】

(config)♯cdp run

【インターフェイスでCDPを起動】

(config-if)♯cdp enable

インターフェイスでCDPが起動しているかどうかを確認するにはshow cdp interfaceを入力する。

【CDP起動インターフェイスの確認】

♯show cdp interface





CDPのタイマーや、バージョンをを確認するには♯show cdpを入力する。

【CDPのタイマー、バージョンの確認】

♯show cdp



1-4CDPの停止

デバイス全体でCDPのプロセスを完全に停止するには、グローバルコンフィグレーションモードで、[no cdp run]コマンドを入力する。インターフェイス単位で停止する必要はない。

インターフェイス単位でCDPの情報交換を停止するには、停止するインターフェイスのインターフェイスコンフィグレーションモードで[no cdp enable]コマンドを入力する。